在監日記


世の中には不思議な事もあるものです。

10月3日、私は銀行と駅で用を済ませ帰りにカー用品店に向かいました。私のクルマには同1日やそれ以前に、同店からパクったオーディオ製品や液晶テレビなどが山積みでした。
私はそこでどういうわけか、以前パクったオーディオの配線変更など店員に依頼したのです。

製造番号からアシがつくなど容易に想像できます。いえ、頼んだその瞬間もそう思ってました。見つかった後も店員はすぐ警察には連絡せずいたので、示談交渉も出来たはず、そのときもそれは考えていたのですが。

なのにしませんでした。未だにあの時の自分の行動に説明が付きません。

「大いなる意志」に動かされたとでもいうのでしょうか。


10月15日

これは今もって謎である。刑事にも検事にも問いただされたが、自分でもさっぱり説明が付いていない。ただ、なんとなくそうしてしまった、としか言いようが無い。

「大いなる意志」に突き動かされた、、理論的意外に説明を求めるならそういう答えになるだろう。あの時、私ははっきりと、「捕まる」と頭ではそう考えていたのだから。

10月16日

先ほど(午前中)本件の起訴があったようだ。十日の拘留後、追加拘留になると思っていたのだが意外に早かった。13日の検事調べで本件のオーディオ類窃盗は目処が付いていたからいずれは起訴になると思っていたが意外に早かった。

取り調べは昨日が、デスクトップ1台パクって来た件、今日はデジカムの件。両方ともかなり大胆なやり口だった。

パソコンは店に山積みしてあるのを台車を借りてきてディスプレイごと、犯行時間は1分足らずだ。デジカムは防犯装置の取り外しを含めて3分弱である。

担当刑事の話では過去数年で最悪の部類とか。まあ田舎の小都市なので事件自体があまりないのだろう・・。

10月17日

今日は引き当たり(取り調べ前の現場検証)で市内の電化店を回ったあと、自宅に一度戻った。戻ったといっても紐付きである。故買した先がメールを見ないと分からないという理由をこじつけ、ネットアクセスした。なんとか一部の人にはパクられてる事を暗に伝えられたが、隣りに刑事が5人も立ってる環境ではそれ以上の事は出来ない。

結局、メールいくつかを印刷し、故買した友人宅の住所などもいくつか明らかになってしまった。

10月20日

少し前から考えていたのだが、この房から脱出出来ないだろうか。ホントにするわけではないが。

まず、この房で弱点となっているところはどこか。考えられる場所は2つ、金網ドアと監視カメラのボックスである。監視カメラは室内に付いているわけではなく、室内と室外の中間に金網を切って付けられた鉄の箱の中に付いている。室内から見るとガラス窓の向こうに監視カメラが見える。このガラス窓を破れば外に出られるかもしれない。看守はいつでもモニタを見ているから、現実には看守がいない環境にならないと無理だけど。
金網ドアは一見頑丈そうに見えるが、錠の押さえの部分はボルト3本で止まっているだけで、何度か体当たりでもしていれば壊れそうだ。酔っ払いが保護されてきて房の中で(保護専用の房が別にある)暴れてるのも何度か見たけど、あれはドアにケリ入れてるだけで、壊れるとは到底思えない。やはり畳をテコに使って自分の体重をかけるように工夫しないと壊れないだろう。

ただ、この房から仮に出れたとしても、房の外側は大きな部屋になっていて、そこから抜け出すには更に2枚のドアを突破しないと行けない。未決や懲役にくらべれば幾分マシかも知れないけど。

畳を剥がしたら脱出用トンネルと脱獄用七点セットがあったとか、脱獄用地下鉄が走ってたとか、どこかにそんな署はないだろうか・・。

10月22日

弁護士を選任するため親と面会。私選にするか国選にするか相談するつもりだったけど、親の方ですでに私選を付けたとのこと。どのみちこの街に弁護士は2人しかいないから私でも国でも同じのが付きそうだが・・。

全面的に争う構えなら私選じゃないと無理だけど、容疑は認めてるから国選でも保釈は効きそうだ。ある意味、金の無駄かもしれない。(後にそうでない事が分かる。金の力は大きいのだ)

10月23日

別件の引き当たりのため、しばらくぶりに県外へ出た。隣り町でやったスキー場のロッジ荒らしである。

初めは廃屋だろうと思ってピッキングして入ったら、まだ使われてる建物だった。ただ入ったのは8月の終わり頃でシーズンオフで誰もいなかった。そこら辺を家捜しして無線機数台に音楽関連やパソコン関連のパーツなどをパクった。

引き当たりに連れてってもらったクルマはボロボロの走行距離30万キロのカローラである。ロッジは有料道路内にあるので、ゲートで警察手帳でも見せてカッコ良く通り過ぎるのかと思ってたら、なんと通行料を払って通った。オマケに支払いをグズグズしてるから、ワッパはめた私がゲートの係員にジロジロ見られる始末。

帰りにホットココアと梨を奢ってもらう。実に楽しい1日だった。

10月26日

飲みたいと思った時が一番ウマイものだ。ただのコーヒーなんだけど、これがたまらなく美味かった。缶コーヒーがこれほど美味いと思ったのは生まれてはじめて。

ひま。とにかく暇だ。これから、ASCII-DOS/V ISSUE 11月号の背表紙に書かれてる、Pentium2の宣伝広告の写真に出てる宇宙人の数を数える・・・・。その後、寝ながら官能小説を読みふける・・。その後はどうしようか。。。。。

・・・・・・・・ったっく何人いるんだよコレ・・。二度とIntelのCPU買わねーぞぉ。

10月28日

さて、昨日の午後から文庫本を借りて読んだ。ここには官能小説しか置いてないのかと思ってたら、ちゃんとした本もあるようだ。

悪魔の飽食・・・。関東軍731部隊の秘密・・・。ふむふむ、、生体実験体の「マルタ」の監獄・・・。

おい・・いま私がいる房と良く似てるな・・・・・・・・・。

さっき食べた弁当に細菌兵器はいってねーだろーなぁー・・。

10月31日

初公判の日程は未だ決まらず。11月15日までにはあると思うのだが。検事調べが終わって、初公判が終われば保釈が出るはずだ。17日ころだろうか。akinaが消えるまでそれから1ヶ月はあるから移動先を探す時間はあるだろう。この日記もhtml化してページに上げよう。

そしてもう一つ・・。今まで12年間の窃盗手口も書こうと思う。もちろんこれは盗む側の立場だが。

プラス度胸があればどんな店からでもパクれるであろう。

11月8日

久々の日記。ホメパゲで以前つけてた日記と同じで三日坊主になりがちだ。

10月3日に入った時には、私のほかに4人+少年2人が入っていた。シャブ兄ちゃん、詐欺オヤジ、チャリ泥、よくわからんの一人。少年はいずれも傷害と言う。前日の2日までは全国で1000件程、現金ばかり狙ってたオヤジが半年ばかり入ってたそうな・・。

その後5日余りでシャブ兄ちゃんと私を除く全員が出ていった。その後、誰も入ってこない状態が一ヶ月くらい続いた。今月3日に自販機荒らしの相棒のオッサンが入ってきた。本件は被害金額4万で普通なら起訴猶予くらい貰えるのだろうけど、シャブなどで前科6犯にダブルで執行猶予がついてるそうな。本人も懲役覚悟だと言う。

11月10日

引き当たり4回目、これで終わりなそうな。公判を14日に控え、明後日には最後の検事調べの予定である。今週はやたら忙しいけど、14日中に保釈手続きが完了すればその日のうちに出られる。長かったが後4日の辛抱だ。

最後の引き当たりは福島県まで3時間のドライブ。キャンプ場管理棟から、洞窟調査団の荷物漁りをした件である。

11月11日

もうすぐだよ・・・・・・ユイ・・・・・・・・・・公判まであと3日。

昨日の夜中、またオッサンが入ってきた。喧嘩オヤジが2人お揃いである。房は別だが。

喧嘩の当事者というのはよく勘違いしているが、殴られて殴りかえしたら、2人とも立派に傷害罪である。もちろん、パクられる。都会の連中は良くわきまえてて、桜田門が来る前に逃げるが、田舎の連中は来てもまだやってるとか。

パクられて、なぜ自分がパクられたのか分かってないのが、喧嘩で入ってくる99%という。これは田舎じゃなくてもパクるらしいよ。

11月12日

今日は午後から検事の調べがある。昨日、またまた来場者があった。マジさんと、900万事務所荒らしだとか。これで7人、調べ室は6つしかない、イコール私の調べはない。ここにいると、調べはちょうど良い気分転換で、毎日の楽しみの一つにもなってくる。

11月13日

まいった・・。

昨日の検事調べのあと、しばらく呆然となってなにも考え付かなかった。事件がまだ、検察に送られてきていないと言うのだ。これでは保釈が通るはずが無い。保釈の条件は、すべての調べが終わっている事と身元引受人・保釈金だから、調べが終わっていなければ出れるわけはない・・。

刑事の係長に聞いたところ、最近わらわらと入ってきた連中の捜査が忙しくて、こっちまで手が回らないと言う・・。全く嫌な時期に客が来たものだ・・。

11月14日

やはり無理だった。裁判が始まる前、弁護士から保釈申請は提出された模様だけれど、検事が反対したために判事の印象をそこねるとまずい事から、弁護士の方で取り下げたと言う。

無理も無いだろう。怨むなら他の留置者を怨めとか(笑)

弁護士はある程度判事と話はしたらしく、検察官の調べが済めが改めて保釈申請するという。何らかの状況変化が無ければ申請は出来ないのだ。

まああと2週間と言うところだろうか・・。

11月17日

先の検事調べの分が提訴された。

起訴状

左記被告事件につき公訴を提起する。
平成9年11月17日

○○区検察庁

検察官副検事  ○○○○

○○簡易裁判所殿

(中略)

公訴事実

第一   

平成九年二月一〇日ころ、○○県○○市○○○○所在の株式会社○○において、同店店長○○の管理に係るパソコン一台(価格三十四万八〇〇〇円)を窃取し

第二

(略)を窃取したものである。

罪名及び罰条

窃盗   刑法第二三五条

さらにこれを謄本と証明するための検察事務官の証明書が付く。他に、併合決定と言う、事件を一括して審理する書類も付く。

11月21日

暇だからお絵描き。一応同人やってただけあってある程度は描ける。

なんとなく一言。

使徒使徒PHSゃん使徒PHSゃん♪使徒PHSゃ〜ん byはしゆきお

もう一発

この危難の危機になる気  日立の宣伝。

予想では今日当たりに検察官の調べが入ってくると思ってたんだけど・・。酒鬼薔薇が「愚鈍な警察諸君、僕を捕まえてみたまえ」と言ったそうだが、私ならこう言う。

「愚鈍な検察諸君、さっさと起訴したまえ」

11月28日

やっと最後の検事調べが終わった。検事もこれで最後と言い、来月5日までに追起訴するという。ようやく終わった。月曜日には弁護士に連絡を取ろう。いよいよ大詰めである。

12月1日

未決拘置所への移管が決定。保釈と前後するが、検察は検察で、弁護士は弁護士で動いているから仕方ないのかもしれない。移管は明日の午後ということ。ひょっとしたら明日中に出れるかもしれない。

12月4日

夕食を食べおわって、一息ついたところにいきなり保釈許可決定が来た。拘置所では詳しい日記が付けられないし(つけると罰せられる)日ごとに何か変化があるわけではないから特に何も無かった。

ただ、風呂や運動など、一応のメニューは見てこれた。ちょっとした旅行ってな感じでここは中々良かった。


余談

さっき、これを書きながら起訴状を見てたら、「拘置支所購入品一覧表」とかいう、拘置所の中で買えるものの表が出てきました。どうやら間違って持ってきてしまったよう。

コピー取った後、返しに行こうかな・・。

貴重な体験でした。二度としたくありませんけどね・・・・・。

 

(C)1997 代参神道教師・アリスリデル
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