第5回. オンラインマニュアル Wirtten by Hariru (1) コマンド紹介 ここで紹介するコマンドは、オンラインマニュアルに関するコマンドです。 man ・・・ 指定したコマンドのオンラインマニュアルを出力する。 珍しくひとつですが、このmanはUNIXを使い慣れた人でもそうでない人でも非常に重宝 するコマンドです。ぜひ覚えましょう。 (2) オンラインマニュアル オンラインマニュアルは、画面上で見ることのできるマニュアルです。このマニュアル を見るにはmanコマンドを使います。使い方は次のようです。 % man man この場合、manコマンド自身のマニュアルが画面に表示されることになります。 マニュアルの内容はたいてい長いので、manコマンドは1画面分の表示を行うとそこで表 示をいったん停止します。そして、そこでユーザの入力待ちになります。 それではマニュアルをじっくり読みましょうか。。。 って、このまま停止しっぱなしでは困りますので、停止時にはさまざまな文字が入力で きます。 たとえば、 --- 次の1画面を表示する --- 次の1行を表示する q --- manコマンドを終了する h --- 入力できる文字と、それによってどのような操作が行われるかの一覧を 表示する などです。通常とqさえわかっていればよいと思いますが、その他の入力できる 文字を知りたい場合は、hを押して各自で調べましょう。 (3) マニュアルの形式 manコマンドで表示されるマニュアルの内容を見ると、各所にタイトルがついているのに 気づきますよね。これは、どのUNIXのマニュアルであっても(ほぼ)共通の形式です。 それでは表示されるマニュアルを手早く読むために、タイトルについて説明をします。 ・NAME --- コマンドの名前とその使用目的 ここを見るだけで、どのような働きを持ったコマンドであるかがわかります。 ・SYNOPSIS --- コマンドの入力形式 ここには、ファイル名、オプション、文字列の引数などが列挙され、コマンドの 入力形式が記述されています。ここで、 man [-] [-t] [section] title ... のように、[]で囲まれている引数は省略してもかまいという意味です。また、 ...という表記がある部分は、その直前に記述されている引数を繰り返し指定でき る、という意味を持っています。この例でいくと、manに対してはtitleを繰り返 して指定できることになります。コマンドの入力形式、特に引数の順番や空白の 入れ方などは、この記述に従ったほうがよいです。 ・DESCRIPTION --- コマンドに関する情報 コマンドの動きやオプションの意味などが詳しく説明されています。ここをちゃ んと読めば、たいていの疑問は解決するはずです。 ・FILES --- コマンドに関連したファイル名 コマンドが実行されるにあたって参照したり使用したりするファイル名が絶対パ ス名で記されています。 ・SEE ALSO --- 関連項目 このコマンドに関連したほかのコマンド名などが記されています。このマニュア ルを読んだだけでは疑問が解決しなかった場合、ここに記述されているコマンド のマニュアルも読んでみることをお勧めします。 ・BUGS --- 使用上の制限事項 コマンドによっては、使用にあたって制限のある場合もあります。正しく実行し たにもかかわらず、コマンドが正しく動作しない場合に参照してみましょう。 (4) manのオプション活用 manコマンドには、いくつかのオプションが提供されています。その中でも知っておくと 役立つのが-kです。 これを使うと自分のしたい作業にどのコマンドを使ってよいかわからない場合でも、そ のコマンドが探せます。ありがたいですね〜。 たとえばファイルを作成したり編集するためのエディタとして、どのようなコマンドが あるか調べるためには、editorというキーワードを使って次のように打ちます。 % man -k editor これは、すべてのマニュアルのNAMEの中から、指定されたキーワードがあるNAMEを表示 します。 % man -k editor ed, red (1) - text editor edit (1) - text editor (variant of ex for casual users) ex (1) - text editor ld (1) - link-editor for object files ld (1b) - link editor, dynamic link editor sed (1) - stream editor sed (1b) - stream editor vi, view, vedit (1) - screen-oriented (visual) display editor based on ex % さらに詳細を知りたければこの中から好きなものを選んで、あらためてmanで呼んであ げましょう。 注意)このオプション使うには、あらかじめスーパーユーザにより全マニュアルページ をリストアップしたファイルが存在しないといけません。使えないようでしたら、文句 を言ってあげましょう。 (5) セクション さて、ここまで説明してきて気になったことがあるでしょう。そうmanコマンドの結果の コマンド名の後ろに、(1)などのような表示があることです。 気になると眠れないという方のためにも、簡単に説明しておきます。 結論から先に述べると、それはセクション番号を示しています。 セクション番号はシステムによって違いますが、マニュアルは全部で大体8つのセクショ ンから構成されていて、それぞれ次のような内容の記述があります。 セクション1 --- コマンド セクション2 --- システムコール セクション3 --- 関数 セクション4 --- マシンの周辺装置 セクション5 --- ファイル形式 セクション6 --- ゲーム セクション7 --- いろいろ セクション8 --- 管理用コマンド manコマンドでコマンド名を指定すると、manコマンドは指定されたコマンド名をセクシ ョン1のマニュアルから探し始め、セクション8まで探します。そして、その途中で該当 するマニュアルがあると、それを表示してその後の検索は行いません。 と、こ、ろ、が、ここで少し問題があります。実はマニュアルの中には同じ名前を持っ たものが複数のセクションに存在する場合があるのです。 たとえばpasswdです。これはpasswdコマンドとしてのマニュアルと、passwdファイル形 式としてのマニュアルがあるのです。つまりセクション1とセクション5にマニュアルが あったとしても、普通に % man passwd としただけでは、セクション1のpasswdコマンドのマニュアルだけしか表示されません。 このときの対処法は、manコマンドに対して次のようにセクション番号を指定すればよい です。 % man 5 passwd わかれば簡単ですね。 注意)Solaris7では、セクションの内容などが少し変わってます。例をあげると、ファイ ル形式はセクション4になっていて、それを呼び出すのもman -s 4 passwdのようになり ます。う〜ん、混乱しちゃいそうですね〜。 以上、manについて取り上げ説明してきましたが、これはこのコマンドさえ覚えていれば あとは何とかなるという、思いっきり投げやりな考えが基盤にあります(笑)。 さらに詳しく知りたいという方は、man manしてくださいね。 しばらく、一段落!