別冊 Mail Magazine Radica | 1999年2月20日(土) |
RADICA EXPRESS SELECTION | |
詐欺? 機能しないシェアウェア | |
新手のネット詐欺といった事件が発覚した。 オンラインソフトに関するメーリングリストに16日、「Comp Japan」が公開中の「新メモリ最適化ツール」というシェアウェアは、 実際には動作しないソフトウェアではないか? という投稿があった。 このソフトウェアの添付文書には「メモリ内のデータを最適化するツール」とある。 具体的には、「エラーが出にくくなる」「素早いメモリアクセス」「スワップを減らす」「CPUへの負担が軽減」などの効用があるとしている。 しかし、メーリングリストへの投稿によると、動作を検証すると簡単な演算を繰り返し行っているだけで、説明のような機能は含まれていないとのこと。 そして18日には、Comp Japan名義で開設していたWebに、公開中止と代金の返還の告知が掲載された。 また、オンラインソフトのダウンロードサイト「ベクター」でも、当事者からの要望によって公開が中止されている。 ただし、ニフティからは現在でもダウンロードも可能で、代金の支払いも出来る状態だ。 また、ベクターが出版している、CD-ROMにも掲載されていて、誰もがソフトウェアを入手出来る状態にある。 旧バージョンも含めた公開期間は約1年間に及ぶ。 先ほど、Comp JapanのWebを開設し、代金の受取人となっている人物と電話で話すことが出来た。 彼の年齢は16歳。実際の作者は別にいて、学校の友人とのことだ。ニフティのアカウントは母親名義で取得している。 公開中止について、「ベクターに登録しているほかの作者に、どうして効果があるのか説明できないソフトウェアを公開することはまずい、といわれたから」と答えている。 彼に教えられた、新メモリ最適化ツールの作者の電話番号には、何度掛けてもつながることはなかった。 「子供のいたずら」と片づけるのは簡単だ。作者が、代金搾取の意図を持っていたのかどうかも不明だ。 しかし、Comp Japanはこのソフトウェアの広告を、掲示板やリンク集に登録する形で積極的に行っていたことから考えると、悪質だと言わざるをえない。 ○ Comp Japanが問題のシェアウェアを公開していたサイト http://hp.vector.co.jp/authors/VA013537/ |