アングラという場所 すべては人と人との間に

「拳銃が人を殺すわけじゃない」

「そうよ。知ってるわ。人が人を殺すんでしょ?弾丸が殺すとでも言いたいわけ?」

「いやいや。自分の命が自分を殺すんだよ。」




アングラという場所。若しくはその類を指す言葉。

アングラはアンダーグラウンドの略であり、現実社会においては
犯罪の巣窟を指す。インターネットに於いても本来は、そうした、
触れてはならない部分、であった。

だが、現在にあってのアングラは違う。、

誰でも気軽に楽しめる、ちょっと危険な匂いのする場所。

別の言葉を使うなら、

大手サーチエンジンに登録してもらえない、

ゴミ溜のページ群、である。


アングラ、はWindows95の登場によって大きく変わったのである。


つまらない、くだらない。

そう言う人がいる。
アングラ、からコンピューターの話題は消えた。
いや、インターネット自体から、かも知れない。いずれはそうなるだろう。

しかしこれは、進化、である。

コンピューターの本来の目的は、
コンピューターの話をする事ではない!

アマチュア無線の定義とは違う。



本来の住人は影の技術者である。

彼等にとってコンピューターは友人である。
彼等は二つの顔を持つ。

見える力の持ち主。

素直な人間の姿である。



アングラにも初心者が増えた。

技術的な意味を語る気はない。パソコンを買ったばかりの素人でもない。

初心者とは、人間初心者、人生の初心者である。

若き力の持ち主。

彼等は疲れを知らない。

したい事をする、
言いたい事を言う。
喧嘩をし
他人を巻込む。

匿名という名の元、日常には有り得ぬ刺激を求める。そして大人になってゆく。



本来の住人たちは匿名を重んじる。素顔が別にある故に。

初心者も然。己である事を知られぬ為に。

そして、どちらにも属さぬ人々が来た。

彼らとてアングラの住人である事に変わりはない。
しかし彼らは匿名を重んじない。

彼等には生きる力があった。彼等は同一の顔を持つ。見えぬ力の持ち主。

ボムは撃てぬがチャカは撃てる。

そしてまた新しい人々・・

彼等はボムもチャカも撃った。彼等は異なる力の持ち主だった。


時代と共に世界は変わる。一時とて、同じ世界はない。


すべては人と人との間にあるのだ。

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