ゲスッとは何か 世界初のインターネット愚連隊


「ゲスッ」は掲示板&チャット破壊を主にしていたグループで、クラッカーなどと混同されそうですが私はそうは思いません。それは彼らの行動を見るとよく分かります。

  1. アングラ掲示板での依頼とかで、攻撃目標を設定する。
  2. ターゲットの常連をからかって遊ぶ。
  3. 頃合いを見計らってタグ書き込み&連続ログ流し。
  4. 脅して謝らせたり、掲示板を乗っ取ったりする、若しくはターゲット管理人が嫌になって掲示板やチャットを消す。
  5. 攻撃終了。

隠密行動を基本として自分がやったなどとおくびにも出さないクラッカーたち(一部堂々と公表した人もいますが・・・)と違い、ゲスッメンバーは人前で堂々と掲示板などへアタックをかけていました。クラッカーというよりヤクザかも知れません。ヤクザが行き過ぎなら愚連隊とでもいいましょうか・・。ゲスッはそのアタック成功をさらに堂々と声明まで行ったのでした。

ゲスッは世界初のインターネット愚連隊なのです

ゲスッは掲示板荒らしと言われますが、それは違います。彼らは「荒らし」ではなく「潰し」です。九十七年参月、時の県人会ゲスッ掲示板常連「デュークYCC」が掲示板潰し専門業を興してから、潰れる前の確固たる戦略掲示板潰し愚連隊に至るまで、その変わらぬ方針の一つに、

確実に目標を撃破した

というのがありました。一般的な荒らしたちのように一時ばかりの気まぐれではなく、必要とあらば一週間でも一月でも、目標に集中して攻撃を加えていきました。荒らしが目標掲示板での混乱を楽しむのに対し、ゲスッは混乱を煽り利用し、結果的な掲示板廃止に追い込んだのです。

ある人は「ゲスッはストーカーだ」と言いました。確かに攻撃ターゲットがしぶとい場合、そう見えるのかも知れません。ただそれは、「荒らし」として見ているに過ぎないのです。前述したとおりゲスッは、ターゲットが嫌がるのを見て楽しむ、わけではなく、ターゲットがNot Foundになるのを楽しむ、のですからストーカーとは根本的に違います。

もうひとつ、「ゲスッ」が他のクラックなどと違うのは難しい知識も技術も必要としなかった事です。ゲスッの攻撃の基本はタグとJavaScriptで、これも知ってしまえば大した事の無い物でした。ホームページを作られた事のある方なら、すぐにでも掲示板アタックが出来たのです。


ただし、彼らのアタックは幼稚なものではありません。企業相手のアタックならパスワードアタックしてHDDの中身をぐちゃぐちゃにするのが効果的でしょう。でも彼らが相手にしたのは個人、掲示板やチャットに出てくるネットサーファーです。HDDをフォーマットしたりダイヤルアップPPPのパスワードを盗んだところで被害額は微々たるもの、「インターネットは危険だから・・」と、単にネットログオンしなくなるだけです。

彼らが相手にしたのは、ターゲット達の精神だと思います。偽者で登場してターゲット達を疑心暗鬼にさせたり、執拗なラクガキを繰り返す事で怒りっぽくさせたり、仲間になったフリをして個人情報を暴いたりすれば日常生活まで余波は及びます。彼ら自身、果たしてそう考えてしていたのかはわかりませんが、結果的には100以上の掲示板などが潰れたのです。


全くスキルが無かったわけではありません。ゲスッの中には幹部と呼ばれる固定ハンドルのメンバーがおり、彼らはそれぞれにアイディアや技術を持っていました。JavaやScriptなど、CGI、ブラウザのバグを突いた方法、そして個人情報を暴くソーシャルも、ゲスッの技術といえるでしょう。


ゲスッは97年3月に県人会・初代ゲスッ掲示板&あやしい2000・97に始まり、気に入らない掲示板をポアしながら、それらの掲示板で賛同メンバーを増やしていきました。さらにゲスッ帝国を建国、活動拠点となる掲示板を自らの力をもって獲得し、世界中の初心者掲示板を恐怖のどん底に陥れたりしました。ゲスッを扇動し、煽っていた団体をも潰し、その過程を「偉大なる意志」によって乗り越え「次の段階に覚醒した」冒険者となりました。

しかし同6月からの通称「ゲスッウォーズ・煽りの逆襲」によって徐々に衰退、ゲスッ幹部もちりじりになってしまいました。現在では旧幹部達は、掲示板潰しなど面白くなくてやらず、ゲスッを名乗る中学生?が所構わず荒らしまわっています。

このページは、ゲスッがやった方法とその対策などを一般に公開し、荒らし・潰しに対する意識向上を目的としています。



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