紅茶だけでもおいしいが、 紅茶を飲むとお菓子が欲しくなる。 そこで今日は紅茶に最適のスコンというお菓子の作り方を紹介しよう。
スコンというのは、パンのような、 ビスケットのような、 クッキーのような、 あるいは、パイ皮のようなお菓子である。 イギリスではポットの次に紅茶に欠かせないものとされており、 日本でもハイティーの用意ができるところなら、 スコンも出してくることが多いようだ。
さて、それほど大騒ぎになるスコンだが、 お菓子として言えば、 素朴な垢抜けない、つまらないお菓子である。 よほど、そこら辺で売っている二束三文のショートケーキの方が気が利いている。 しかし、これはあくまでも紅茶を引き立たせるためのお菓子なので、 単体での味を論じても意味はない。 引き立て役というのは概してそういうものである。
それでは、その作り方を説明しよう。 このレシピだと、 だいたい 30 分もあれば作れる。 必要な道具はオーブンとフードプロセッサだけで、 まあ、現在のたいていの家庭にはあるかと思う。
まずは材料。
上記が作り方である。 夏場は生地が扱いづらくなるので、 その場合には適当に冷蔵庫に入れて冷やしてから作業するとか、 寝かせるかする。 この辺は、かなりパイの作り方に似ている。
そのままかじってかまわない。 私は紅茶を飲みながら、 ぼそぼそとかじっているだけである。 甘みもなく、ぼそぼそとしているところが、 妙に紅茶にあう。
しかし、正式には、 スコンを半分にきり、 クロテッドクリームとジャムを はさんで食べるらしい。 いうまでもなく、この食べ方が一番おいしい (だから、砂糖は少なめにして作るのである)。
クロテッドクリームは、バターとクリームの中間のようなもので、 ちょっとしたデパート程度なら扱っていることがある。 輸入高級食材店に行かなくても、 日本の中澤乳業が販売している。
とにかく、ぼそぼそして、粉っぽいお菓子だが、 紅茶と一緒に食べることを考えるとこれはこれでいい。 パンとクッキーそしてパイの中間にあるようなお菓子なので、 結構おなかはふくれる。 ある程度作っておけば、 軽い朝食の代わりにはなる。
日持ちはするが、3 日が限度だろうと思う。 別に 1 週間たっても中るということはないが、 やはりまずくはなる。 一番の食べごろはまだ熱いうちで、 その点からいえば、あまり作りおきしないほうがいいのかもしれない。
あまりに素朴なお菓子のために、 ついつい色々なものを入れたくなる。 たとえば、 クルミを入れたらどうかとか、 レーズンの代わりにその他のドライフルーツを入れたらどうかなどといった誘惑には初心者は弱い。 しかし、 いじればいじるほど、まずくなることには注意しよう。 これはこれで完成された味なのである。
引き立て役はでしゃばってはいけない。 主役は紅茶である。