破滅への恋路
貴方と
御付合いを始めてから
私は
綺麗に成りました
貴方の隣で
笑えるように成ってから
毎日
楽しくて仕方在りません
貴方に愛を打ち明けられた
ほぼ一年前
私は
恋人に
こっ酷く捨てられました
其の御方は
とても包容力の有る
背の高い
優しい人で在りました
心と身体の弱い
私の為に
『御前ガ死ネバ 俺モ死ヌ』
と
申してくれました
抱擁の温もりも
深く重ねた唇も
忘らるるなど
出来ましょうか
とてもとても
愛していて
とてもとても
愛されていたのです
なのに
私は
或る日から
相手にされなくなり
あっと謂う間に
雑巾の如く
捨てられて仕舞いました
余りにも辛く悲しく
涙が零れ
私は
手首をかっ割きました
貴方が
そんな約束など
覚えている筈が無いのに
ほんの僅かな
期待をして
手首に傷を付けました
あれから
もう一年経ちました
貴方は
私が夜中救急車で運ばれた事も
知る事は無かった様ですね
結局私は
命を絶てず
今
此処に生きています
新しい恋人の貴方
貴方には
総て話して置きたくて
だから
総て聞いて頂きました
貴方は
顔色一つ変えず
総て聞いて下さいました
過去の
未練も何も無い御方は
『絶対離サナイ』
と言って
裏切りましたが
貴方は
そんな事は
決してしない人だと
私は
知っています
貴方も
私と同じ様に
不安定な人間だという事も
知っています
頭の良い貴方
温かい貴方
一途な貴方
大好きな貴方
此れから先
繋いだ手が
離れそうになったらば
嘘迄吐いて
後味悪く
別れるよりは
二人で死んでしまいましょう
一緒に生きる相手では無く
貴方は
一緒に死ねる相手で在るから
愛しています
とても