遺書を書こう





不安定で
ボロボロで
すぐに崩れてしまいそうな

脆くて
駄目で
情けない
グラグラのあたしだから

まだ意識のあるうちに

遺書を書こう


・・・・・


まず
財産はないので
その辺はどうでもいいです

それから
写真や日記なんかは
気持ち悪いので焼いてください

服は
結構高かったから
妹にあげて欲しいな

友達には
ごめんね、って言って

恋人には
ありがとう、って言って

他の人には
さようなら、って

面倒だけど
伝えて下さい

私が此処にいた証が
何もないのは寂しいけど
人生、そんなモノだろうから

思い残す事は何もない

私は幸せに逝きました。


・・・・・


一通り書き終えて
署名して
封をする

持ち歩いていようと思った

なぜならあたしは

不安定で
ボロボロで
すぐに崩れてしまいそうで

脆くて
駄目で
情けない
グラグラの人間だから


これで何時でも死ねる
と思うと

安心した


安心した・・・?



勢いよく封筒を破る

それをさらに細かく
元の形もないくらい


何時でも死ねると思ったら
多分死ねない

死ねない・・・・・



涙が出た



あたしは窓から飛び降りた

マンションの5階



「―――――。」






涙ガ頬ヲ流レタラ 一緒ニ御家ヘ帰リマセウ