ラビット・パニック





:「さんじ・・・めし・・・」

:「んぁ・・・?・・・テメェさっき・・・
   食ったばっかじゃ・・・ねぇか・・・」

:「・・・てめぇら・・・うるせぇよ・・・
  寝れねェじゃねぇか・・・」

:「お前は・・・寝すぎなんだよ・・・
   ちょっとは・・・仕事手伝え・・・」



ったく・・・、よく寝言で会話できるわねぇ・・・。
でも、寝言でもサンジくんに一番に話しかけるなんて、
ルフィも見せつけてくれるじゃない。

聞こえてないと思っても、バッチリ聞こえてるんだからね。


「ん・・・、サンジ・・・腹へった・・・」

「あぁ・・・?食うモンなんか・・・なんも・・・ねぇよ・・・」

「・・・じゃあ・・・これで・・・いい・・・」

「ん・・・・・っ」


・・・何してるのかしら。
まさか、寝ながら・・・なんて、ね・・・。


「ごちそう・・・さま・・・でした・・・」

「・・・んじゃあ・・・とっとと・・・寝やがれ・・・」


はぁ・・・。やっぱり・・・。とことん器用な奴らね・・・。
ルフィったら、サンジくんのハンモックまで首だけ伸ばして、
『コイビト』しちゃってるんでしょ・・・?

知らないなんて思ってちゃダメよ。
私がこの船の中のことで知らないことなんて、
なんにもないんだから。





大体この2人、寝ながらだけじゃないわ。
気が付いたら、よ。



サンジくんがご飯作るときって
あんまり人を寄せ付けないんだけど、
ルフィなんか、ドアのとこから首だけ伸ばして
イチャついてるんだから、呆れちゃうわよ。

せっかくの能力、もっと考えて使いなさい!
・・・なんて言ってもムダよね・・・。
サンジくんだって全然嫌がってないし、
むしろ楽しみにしてるみたい。

まったく・・・、羨ましいぐらいアツアツなんだから。



でもね、こんなの見せつけられて、
私が黙ってるワケないじゃない。

そうそう、この間よった島で
すっごくいいモノ見つけちゃったのよ。
せっかくだからあの2人、
もっと盛り上らせちゃおうっと☆

退屈な夜の暇つぶしにもなるしね。





次の日、私は部屋にサンジくんを呼んだ。



「ナミさんがボクを部屋に入れてくださるなんて・・・幸せです・・・v」

「ふふっ。サンジくんらしい感想ありがと」

「ところでナミさん、なにかご用事で・・・?」

「そうそう、あのね、今日はおやつよりカクテルが飲みたい気分なの。」

「えっ・・・でも、こんな真っ昼間からアルコールなんて、いつものナミさんじゃ・・・」

「サンジくんのカクテル、すっっごく飲んでみたいなぁ〜・・・」

「かっしこまりましたああああぁぁぁぁぁっっっ!!!」



ふふっ。なんて単純・・・じゃなくて、
なんて素直なのかしら。サンジくんって。

容姿もいいし、コックさんだし、
ナンパ癖がなきゃモテるタイプなのにね。

・・・まぁ、ルフィにはモテてるみたいだけど。



「ナミさんっ!できましたよっ!!
 あなたの為だけのスペシャルカクテルですっっ」

「う〜ん・・・!キレイっ!味も最高っ!
 サンジくんって、やっぱりすごいわ。ありがとう」

「これも貴女の笑顔のため・・・いつでも貴女のサンジをお呼び下さい」



サンジくん、ノってきたみたいね。
そろそろかしら。


「ところでサンジくん、あなたに見せたいモノがあるの・・・」

「な・・・、なんでしょうか・・・」

「コレなんだけどね・・・」



さぁ、どんな反応するのかしら・・・。



「・・・・・!!?・・・ナミさん、コレって・・・っ!」

「ふふっ。早速今日から使ってね。それじゃ、私は指針でも見てくるから」

「はぁ・・・。わ・・・わかりました・・・」





――待ち遠しかった夜――――


男部屋のドアが静かに閉まる音。
仕込みを終えたサンジくん、少し遅い就寝ね。

もちろん、例のアレ着て寝るわよね。
愛しのレディからのプレゼントなんだもん、
無視なんかできないわよね・・・?サンジくんv



「ん〜・・・・・。コレ・・・、着るかぁ・・・?・・・ナミさんからのプレゼントだしなぁ・・・。
 まぁ、野郎どもは寝てるし・・・、俺朝早いし・・・・・」



やった!着てくれるのね、アレを♪
普段のスマートな黒スーツも似合うけど、
こっちもかなり似合ってるんじゃないかしら。


それとサンジくん、
『野郎どもはみんな寝てる』だなんて、
思わない方がいいわよ。

もうすぐ・・・、ほら・・・。



「・・・おいサンジ」

「・・・!?ルフィ・・・!てめぇ、起きて・・・、・・・ん?・・・寝言か?」

「いや、俺は寝てねぇ。さっき起きた」

「・・・なんでだよ。・・・おとなしく寝てろっての」

「いやだ」

「寝ろ、このクソゴム。永遠に寝かせて欲しいのか・・・?」

「・・・その格好で言われても・・・、あんま迫力ねぇよな」

「え?・・・あ゛っっ・・・!!」



う〜んっ、そのリアクション、最っ高♪♪



「それ・・・、どうしたんだ?」

「・・・ナミさんにもらったんだよ!なんか文句あんのか!?」

「いや、ぜんぜんねぇ。むしろ似合うぞそれ」

「・・・!!・・・だ・・・だからなんだ!ふざけんな、アホがっ!!」



サンジくん、照れまくってるじゃないの。
頬を赤らめたその姿、目に浮かぶわぁ・・・。



「ん〜・・・、暗くてよく見えねぇ・・・」

「は・・・!?バ・・・バカっ・・・!抱きつくんじゃねぇよ・・・っ!!

「い〜じゃね〜かよぉ〜。せっかくそんなカワイイ格好してんだしさぁ〜」

「なに言ってんだ・・・!テメェ、ここがどこかわかってんのか・・・!?」

「え?」

「ウソップとかゾロが起きたらどーすんだって言ってんだよっ!」

「まぁいいじゃねぇか。んなこと。ナミ、サンキュな」

「よくねぇっ・・・!バカかテメ・・・・・んっ・・・」



あ〜あ・・・、もうはじめちゃったわ。
ルフィったら、よっぽどサンジくんが可愛かったのね。

ちゃんとお礼まで言ってもらったし、
私、結構イイことしたわね♪





淡いピンク色の ウサギ耳付フードと しっぽ付のパジャマ姿の
親愛なる サンジくんへ


しばらくは 楽しい夜がすごせそうね

ルフィも気に入ってくれたみたいだし

プレゼントした甲斐があったわ

誕生日には もっともっと

素敵で楽しいプレゼントを 考えておくわね♪


ナミより 愛と遊びゴコロをこめて






御帰リナサイ御主人様 私ノ愛シイ動カヌ人形