大阪府河内長野市で起きた殺傷事件で、両親と弟を刺した大学1年生の長男と、交際相手の少女について、学校関係者や自宅近くに住む人たちは、驚きの声を上げている。
長男は今春まで通っていた私立高で放送部に所属。「放送機材を扱う仕事がしたい」と周囲に話しており、志望していた大阪府南部の私立大に進学した。
高校の教頭は「目立たない、おとなしい生徒だった」と振り返る。現場近くで木工所を営む男性(68)は「時折見かけるが、すごくおとなしい子だ。親に口答えも出来ないまじめすぎる子のように見えた」と驚いた様子で話した。
長男が卒業し、次男が通っていた同市の公立中学の校長は「次男は、長男と同じ中学の剣道部で活動、兄を慕っていた様子だった。お母さんも剣道の試合に応援に駆けつけるなど、子どもを大事にしている印象を持っていた。まさかあの家族が、と大変驚いている」と話した。
ただ、友人らの話によると、長男は「家にはあまり帰っていない。親が嫌いだ」と漏らしていたという。
一方、少女は、学校関係者によると、成績は学年でトップクラスで、中学時代は生徒会の役員を務めていた。礼儀正しく、無断欠席などもないまじめな生徒だったという。高校の校長は「他の生徒に尊敬されるような存在だったと聞いている。事件に関与したとは信じられない」と驚く。
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◆事件の経過
《10月31日》
18:00ごろ 少女の自宅の最寄り駅で、少年と少女が一緒にいるのを少女の友人が目撃
《11月1日》
1:30ごろ 少年が自宅で家族3人を包丁で刺す
2:15 少年の父親が119番通報
2:30ごろ 少年が少女に電話して呼び出す
3:15ごろ 父親の軽乗用車で逃走した少年と少女を緊急配備中のパトカーが河内長野市で発見
3:25 少年を殺人と殺人未遂容疑で緊急逮捕
5:30 少女が買った包丁が自宅で見つかり、少女を殺人予備容疑で逮捕
《2日》
11:35 少年を大阪地検堺支部に送検。少女も午後送検
(11/03 14:25)
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