書斎
本を読むのが大好きな私が読んだ本を順次載せていきたいと思います。
あけみはこんな本を読んでるのねと,お気軽にご覧下さい。
「海の都の物語」 ヴェネツィア共和国の一千年 上巻 塩野七生著 中央公論社
「続 海の都の物語」 ヴェネツィア共和国の一千年 塩野七生著 中央公論社
ようやく読み終えた大作です(^^;
西暦452年に蛮族の侵入のために沼沢地帯に移り住んだ人々が国家を形成し,一時には「地中海の女王」といわれるほどに海外貿易によって
栄え、1797年にナポレオンによって共和国を滅亡させられるまでが描かれた一冊です。
広い国土を持たず,資源もない国が生活の為に交易に従事し,交易を円滑に行うために他国との外交に力を入れ,そこから
繁栄していったヴェネツィア。政治の技術を駆使した有能な指導者達の話し。宿敵トルコとの攻防。同じように交易によって栄えたライヴァル
ジェノヴァとの違い。はたまたこの当時,他国では政治に関わった女性も多数でているのにヴェネツィアの女性にそういう人物が
出てないのは何故か。台頭してくる領土型国家とどのように渡り合ったか,等々。段落ごとに読み進みにくい箇所もありますが
読み応えのある一冊でした。
著者の前書きより
・・・・第一作を書いた当時から,一貫して私の制作態度の根底をなしてきた考えは,歴史は娯楽である、ということにつきる。
なにもわざと面白い事象ばかりを取り上げなくても,それ自体ですでに面白いのが歴史である。教訓を得る人は、
それでよい。しかし、歴史から学ぶことになど無関心で,ただそれを愉しむために読む人も,私にとって大切な読者であることに
変わりはない。いや、そのような人を満足させえてはじめて,真にためになる教訓を与えることも可能なのだと信じているくらいだ。
・・・・作家が読者を啓蒙するのではない。読者が,作家を育てるのである。それに,古代ローマの文人のホラティウスも、
言っているではないか。「面白くてためになる書物が,良書なのである」と。
ローマ人の物語ⅤⅢ 危機と克服 塩野七生 著 1999年9月15日発行 新潮社 2800円
このシリーズは1992年から2006年にかけて一年に1作づつ書き下ろされる予定の壮大な古代ローマ帝国の通史です。
この第8巻は 帝国として盤石になったと思えたローマ帝国が1年の内に3人の皇帝の交代という危機を乗り越え
健全な常識人ヴェスパシアヌスという時代の要請に応えるに適した指導者を得て再び盤石な帝国として持ち直す
までが書かれています。
歴史の学術書ではなく、その時代,その時代の生身の人々の息吹が感じられるような作品です。
国を治める指導者とは? その指導者がそれを成しえた時代背景,その時,既存の勢力はどうなったのか?
後世に名を残す天才とは? 後継者とは何か? 等々
中には学術書的に数字が並び読みすすみにくい所もありますが 実に読んでいてワクワクする歴史物語です。
高校時代から大好きな著者の連作物で、いよいよ第8巻まで読み進んできました。
一巻読み終えるのに2週間から4週間かかります。
多分 今年のはまだ発行されていないので次巻まで暫く待たなくてはならないのが残念です。
古代ローマ帝国なんて 高校の歴史でも簡単に勉強しただけで
イメージとしては 長椅子に横になって食事を摂っていたとか アントニオとクレオパトラの悲恋とか
そんな程度だった私でも充分に愉しんで読んでます。
勿論 全部図書館で借りてです。(^^;
こんな素敵な書物を自分の本棚に保てるとお洒落だよねと思いつつ・・・・
参考までに 第一巻からの 書名を載せておきます。