私のひいおばあちゃんは、すごい人でした。 デビューするなり、一世を風靡しました。 そして、日本にただの一人も、 ひいおばあちゃんのことを知らない人はいませんでした。 子供から大人まで、日本中のすべての人が、 ひいおばあちゃんを愛してくれました。 そして、それどころか、世界中から注目を浴びたのです。
ひいおばあちゃんの顔はふっくらとして、かわいい感じでした。 特に、愛敬のある鼻がひいおばあちゃんのトレードマークでした。 そして、私たちの家系の自慢である、 誰もが羨むような真っ白な肌も、 ひいおばあちゃんから受け継いだものです。
ひいおばあちゃんも、おばあちゃんも、ママも私も 日本中のあらゆる人から愛されています。 その理由の一つには、多分、 その時代時代の日本人の顔を代表する容貌を私たちが持っていたからでしょう。
ひいおばあちゃんの映画も作られたんですよ。 高倉健と共演したんです。 この映画もとてもヒットしました。 私たちも人気がありますが、それでも、 ひいおばあちゃんの人気にはかないません。 本当に尊敬できる、日本の真のアイドルでした。
おばあちゃんの顔は、ひいおばあちゃんの顔とは対照的に、 頬がこけたような、鋭利な輪郭をしていました。 日本人離れした、欧米人風の容貌です。 当時の日本人の鼻が以前より高くなったように、 おばあちゃんの鼻もとても高かったです。
そういった欧米人風の容貌に加えて、 グラマーな体格も一世を風靡したのです。 おばあちゃんの体のふくらみに あこがれなかった人はいないくらいです。
そういうグラマーな体格をしていたのは、おばあちゃんだけです。
ママは、ひいおばあちゃんほどでないにしろ、 世間をあっと言わせました。 ママはママで、ひいおばあちゃんも、おばあちゃんもできなかったことを なしとげた偉大な人です。 ただ、デビュー当時のママはちょっと不安定なところがあって、 しばしば新聞で体調が悪いんじゃないかと書かれたぐらいです。 仕事の途中で、おばあちゃんがママの代理をつとめたこともあります。 もっとも、今は、ママは落ち着いていて、 デビュー当時の調子の悪さは 今のママからは微塵もうかがえません。
当時の若い人たちの顔が、 いわばサイボーグのような特徴のない顔をしていたように、 ママもまた、サイボーグみたいな容貌をしていました。 でも、ママはやっぱり美しいです。
さて、私にはお姉さんと双子の妹がいます。 お姉さんがデビューした時には、 若い女の子の間で、日焼けした肌を自慢するのがはやっていました。 それを反映してでしょうか、 お姉さんは、私たちの家系の一番の自慢の白い肌とはちょっと違った、 肌を持っています。 お姉さんは、顔も小さいし、体もほっそりしています。 もちろん似ていないのですが、 私はお姉さんを見ると、安室奈美恵をなんとなく連想します。
同じように、双子の妹も白い肌をしていません。 私が真っ白な肌をしているのに、 あの子は、お姉さん似です。 でも、これも時代なのでしょうね。 日本人が白い肌に必ずしも憧れなくなったという、 美意識の変化に二人はちゃんと適応しています。 ちょっと寂しいのですが、これが私たちが日本一のアイドルとして 君臨できている一つの原因なのでしょう。
最後に私。 私はかなり大柄な体格です。 一風変わった容貌をしていて、 鼻は大きくて横に広がっています。 私の顔をみて悪口をいう人だっています。 それでも、私は日本のアイドルで、 日本中の人が、 私に憧れ、私を愛してくれます。
最後に私たちの写真をお目にかけますね。