ぶらぶらとネットワークをうろついていると色々なものに出会う。
その日もいつものようにネットワークをぶらついていたら、 とある女子高校生のサイトを見つけた。 いったいどうしてそんなサイトを見つけたのかは忘れてしまったし、 今となっては URL も分からない。 とにかく、ページのレイアウトやデザインを見るといかにも女子高校生らしかった。 もっとも何が女子高校生らしいデザインなのかを聞かれても返答に窮してしまうが…。
コンテンツは平凡なものだった。 プロフィールと日記。 メールアドレスがトップページにそえてあって、 メールください、と書いてある。 ありがちといえばありがちで、 そういうありがちなところに妙な安堵感を覚えた。
しかし、日記の内容は、決してありがちなものではなかった。 日記の内容は、少女買春の記録だった。 どんな男に抱かれて、 男たちがどんな仕草をしたかまで書いてあり、 描写は精緻を極めている。 例えば、若い男は乱暴で、金を出し惜しみするとか、 中年男性の性の技巧…。 全般的には赤裸々だが、露骨ではない文章で、 そういう情交の様子が記述されている。 もちろん、 ごくごく普通と思える女子高校生の学校での日常も書いてある。 例えば、数学のテストが悪くて教師に叱られたとか、 友だちの恋愛の相談に乗ったとか…。
とにかく、私は一瞬ぎょっとしたが、 同時にこの痛ましい日記に興味ももった。 日記は数ヵ月分あるようだ。 とにかく、そこにある限りの日記全部に目を通してみた。 そして、 私は私なりに納得した。
女子高校生の日記には生理の記述がなく、 連日男に抱かれ通しだったのだ。
だからといって、この日記のことをどうこう言うつもりはない。 日記を装った小説だと思えばいいだけの話だ。